手記一覧

私にとっての万葉集とは・・・

 

毎日、万葉集を詠み解いている。慌ただしい朝のひとときが
終ると、私は、万葉集に向かう。大好きな時間である。

万葉集については、今、ダメな弟子として師事している中西先生を筆頭として
多くの偉い先生方が、詳しく、様々な本にお書きになっておられるので、
ここで、私ごときが、万葉集について述べる気持ちもない。

読み解いていくうちに、4516首の万葉集は、5000首を超えてしまった。

到底、全部の和歌を覚えてはいないから、忘れた和歌をもう一度、読み解いたのだろう。
何度読んでも万葉集は良い。

季節の歌も恋の歌も長歌も・・エトセトラ

その音(おん)に浸っていると、何故か心が穏やかになったり、燃えてきたり
もの悲しさに胸が迫ったり、する。

万葉のひとときを過ごすのだ。

ずっと、読み解いていくと、私は日本人の心性を感じ
和歌の底辺に流れる、日本人の「祈り」を感じるのだ。

その心を、一人でも多くの人に伝えたいと、思っている。

2018年06月25日

現代に生きる万葉集

漫画や映画で話題となった「ちはやふる」、そのテーマのひとつ百人一首にも、万葉集からの選歌が含まれています。

原作漫画の中に、主人公のちはやが、万葉集の英訳本(リービ英雄訳)を手にするシーンがあります。

’田子の浦ゆ うち出てみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける’

じつはこの訳、リービ英雄さんも快心の出来と気に入っているそうです。辻友子とコラボレーションした「万葉レクチャー・コンサート 万葉のこころを歌う第21回」の講演で、”真白にそ”を”white, pure white”と訳すことを思いついた、いきさつを話されています。

(画像をクリックするとコンサートの様子が見れます)

さて、「ちはやふる」でも百人一首を読手がよみ上げる、その音をせん細にきき分ける能力を ‘感じ’ と呼び、物語の大きな要素となります。万葉集の ‘音’ の魅力が、世代をこえて私たちをひきつける好例でしょう。

美しい日本語の響き、万葉の祈りを歌謡にのせて届けたい――辻友子の「万葉リサイタル」は、そんな思いを大切にしています。

肩の力を抜き、ひたひたと寄せる音の波につつまれる…。日々の暮らしとともにある私たちの母語、その胎動ともいうべき、万葉集のやさしさにふれに来て下さい。

(サイト管理人より)

2018年06月27日